初回接客の重要性
住宅会社にとって、見学会またはモデルハウスでの初回接客の重要性は今更語るまでもないですが、その割にはその練習を怠っている中小工務店は多いです。おそらくそれは、社長兼営業マンが自分の感覚だけで接客をこなしているという理由が一番多いと思います。ある一定の規模の場合はそれで充分成り立つと思います。むしろ、その方が効率がよい経営ができると思います。
しかし、会社として1つ上の規模を目座すとき、または人に頼りすぎない経営運営を目指すときはロープレ(接客練習)が必要となってきます。社長の営業力で成り立っている会社はブランド会社とは言えません。ある程度、誰が接客しても数字が上がるような仕組みをつくらなければいけません。それは、ブランド力とロープレからできています。

フィードバックが大事
具体的なやり方は2(お客さま)TO1(接客者)がよいです。その他はギャラリーとして後からフィードバック意見をもらいます。あまり負担になってはいけないので、2週間に1開催または1カ月に1度でもいいかもしれません。お客さま役はあらかじめ設定(過去の具体的接客から)を決めておきます。最近の傾向のお客さまがよいでしょう。毎回の役割は交代制ですが、お客さま役は1~2年目にやってもらうのがよいです。練習の積み重ねが営業成果につながります。いきなり、接客はまかせられません。
大切なのはフィードバックの時間です。スタッフから意見をもらいます。良かったところ、改善点など自分では気が付かなかったところの言葉をもらいます。アイフォンで撮影してもらい、後で見返すのも必要です。自分の接客を第三者視点で見つめ直すことが、ロープレでは重要なのです。フィードバックの言葉とビデオ撮影にはそういった意味があります。

ビジョンの共有に利用する
接客の基本は会話です。いかに会話を盛り上げ、聞き上手になることが大切だとされています。ですが、会社としてブランドとしてこれだけは話しておくことを決めておくことが必要です。「家づくりにおいて何を大切にしているのか」、「他社と違うところはどこなのか」、など、キーフレーズを決めておき、会話の中にさりげないブランドを感じさせることは初回接客のキーです。
一流のブランド会社はどの店舗でも、どのスタッフからも同じビジョンを感じます。一貫しています。ブランドの共有・ビジョンの共有が会社経営には欠かせません。ロープレは歩留まりを上げることはもちろんですが、ビジョンの浸透、ブランディングの浸透にも大きく役立っています。ここで培った本物の想いがお客さまに通じます。本当に思っていることしか人には伝わりません。営業テクニック・接客テクニックはその上にあります。

ブランディング接客を考える
ロープレをやっていると、いろいろなアイデアが出ます。「私たちの世界観はこうだから、この話し方の方がよいのでは?」、「このサービスはやり過ぎだ」、「このサービスをやるべき」、「この説明の仕方の方が伝わるかも」…など、会社の世界観を軸にして、様々な意見が出ます。会議やロープレはマンネリになりがちです。だから、どんどん変えていった方がいいのです。変えることはモチベーションにつながります。上手くいってるからといって、そのままだと、ただやっているだけの状態になったり、いつの間にかやらなくなったりします。
会社としての力強さは「教育力」にあります。わかってはいても、ほとんどの会社に「教育制度」はありません。それは面倒だからです。こういった面倒な仕組みを継続できる力が会社の本当の力、会社の厚みだと思います。少しずつでも、小さなことでも継続していきましょう。
