2024.01.19
建築現場をショールームに変えるためのパトロール

建築現場の基本は安全と清掃

一流の住宅会社にとって、工事現場が汚いなんてことは許されません。ホームページが美しく、モデルハウスが魅力的であればあるほど、その落差は大きく、ブランドを失墜させてしまいます。おそらく、一流と呼ばれる住宅会社はそれ相応の仕組みを取り入れていると思います。

言うまでももなく、工事現場は安全第一です。その安全が保たれるためにも清掃が行き届いてなければなりません。汚い現場は事故が起こりやすいです。汚い現場はお施主さまに対して失礼です。ブランド会社としてファンを大切にし、ファンからファンへと紹介をつなぐためにも、現場の安全と清掃を高く保つ現場パトロールを実施してはどうでしょうか。

何が正解なのか見てわかるように

現場パトロールと言っても、ただ現場を巡回するだけのパトトールになっていないでしょうか。気が向いたときに回って、気になったところを注意するだけでは、同じことの繰り返しです。そこには積み重ねがありません。つまり、その見た目のきれいさ・安全性は一過性のものなのです。目的はいつお客さまが来られてもショールームのような工事現場である状態にすることです。

パトロールをする前に基準をつくっておかなければなりません。現場監督が、大工さんが、職人さんが、どの状態が正解なのかを示すことが重要です。つくるべきマニュアルはシンプルです。むしろ複雑にしてはいけません。パッとみて誰でも理解できるようにすることがベストです。①写真と文面をセットにする。②現場時系列順に並べる。③安全と清掃に特化する。注意すべきところはこの3つです。現場パトロールにおいて重要なのは、この基準(ルール)通りに現場が整っているかを確かめることです。とりあえず回るはよくありません。

現場パトロールは育成につながる

現場パトロールは新卒現場管理職の育成にも必要です。おそらく、中小工務店では現場管理職の教育プログラムというものは存在しないと思います。先輩現場の雑用をこなしながら仕事を覚えさせるというOJTを採用していると思います。OJTが悪いと言っているわけではありません。OJTも必須です。その実務訓練を活かすためのオフJT(実務外での研修)が必要です。

現場管理職には以下の5つのスキルが必要です。①安全管理 ②工程管理 ③品質管理 ④実行予算管理 ⑤職人管理(リーダーシップ)この5つの基準に合わせてトレーニングすることが新卒スタッフ1~2年目には必要です。これによって、実務研修(OJT)の成果が全く違ったものになります。現場パトロールは①安全管理に該当します。これを最初の1年で徹底的に訓練することで安全・清掃の意識を身体に馴染ませます。

ビジョンをチームに浸透させる

現場清掃は現場管理1人で行うものではありません。工事現場スタッフはチームです。質の高い住宅を完成させる、工期通りに完成させる、現場をショールームにする、無事故で工事を完成させる、といった計画を実行させるプロジェクトチームです。現場監督はそのリーダーとしてチームにその想い(何のためにやるのか)を説明することが必要です。

現場パトロールの現状を踏まえ、目指すところ(ビジョン)を明確にし、協力を仰ぎます。まず、スタート地点が大事です。何となく仕事しているのでなく、しっかりと説明し、やってほしいことを伝える。これをオフィシャルな場で開催してはいかがでしょうか。チーム一丸となって、現場レベルを上げるためには、こういった仕事を真正面から取り組むことが必要なのです。

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