トークスクリプト(台本)を作る意味
完成見学会でいちいち接客台本(トークスクリプト)をつくる工務店は少ないと思います。いちいち見学会のたびに台本をつくることの労力が大変ですし、作ったものの、社長をはじめとする歴戦の営業マンにはあまり必要ありません。経験豊富な優秀な営業マンはノウハウが身体に蓄積されています。マニュアルがなくても感覚でやれてしまいます。
それでも、「営業職・接客職を育てていきたい。」ということであれば、トークスクリプトを活かす見学会戦略をおすすめします。「若手の育成」、「顧客育成」が理由といてあげられますが、物件を1つ1つスタッフそれぞれの頭の中に叩き込むという大事な役割もあります。かといって、手間をかけない方がいいです。なるべく簡単につくることが要です。最初は大変ですが、一度作ってしまえば、2回目以降はその流用になるので楽になると思います。

①質問スクリプトで会話を盛り上げる
トークスクリプトは5種類あります。①質問②物件③会社④切り返し⑤誘導です。それぞれ説明していきます。接客の基本は会話です。「①質問スクリプト」はその会話を盛り上げるためのきっかけの言葉です。何でもいいのですが、ベタな質問では、最初に「お客さまは新築住宅をお考えですか?」で始めるとよいと思います。
この質問を最初に語りかけることで、いろいろなことが分かります。新築?リフォーム?建替え?話やすい雰囲気かどうか?土地情報?奥さまとご主人どちらが話すのか?などです。ここを確認することによって、次からの動きが変わってきます。慎重に行くべきか?どんどん盛り上げていくべきか?いろいろと情報を集めることは目的の1つですが、会話を盛り下げてしまっては意味がありません。あくまでも会話を盛り上げるために「質問」を選んでいった方が接客は上手くいきます。

質問スクリプトは入れ替え制
①質問スクリプトのつくり方は簡単です。スタッフからいつもしている質問を集めて整理するだけです。自分では気が付かなかった質問も共有できるので、トークの幅も広がります。①質問スクリプトは見学会の度につくるものではありません。一度作っておけば、半永久的に使えるものです。モデルハウス接客・セミナーイベント個別相談などでも使用するので、汎用性も高いです。半年に1度くらいの接客会議で、質問スクリプトをブラッシュアップするのもいいと思います。
②物件スクリプトは反対に毎回作らなければなりません。ですが、文字起こしはしていないかもしれませんが、毎回やっていることだと思います。物件説明書のことです。この住宅の家族構成・お施主さまの想い・どうやって実現したか・お施主さまの要望を超えた空間はどこか・コンセプト・特徴、などなどです。おそらく、見学会の度に語っているはずです。それを文書化することが大切です。

②物件スクリプトは使い方に注意
毎回作る必要はありますが、フォーマットが決まっているので一度作ってしまえば楽だと思います。それが、広告やホームページのイベントページに転用できるので一石二鳥です。見学会の開催が決まったら準備しておくのが理想です。直前ではバタバタしてしまうので、開催2カ月前にはつくりましょう。
物件スクリプトはつくり方よりも使い方が重要です。接客担当はつくってある物件スクリプトをすべて説明したくなりがちです。一歩的な説明は見学会接客において悪手です。つくったスクリプトをすべて使い切る必要はありません。理想は来場者が「何でもこうなっているんですか?」のような質問に応える感じで台本を語る感じです。トークテーマ「理想の家づくり」で盛り上がる状況を意識しましょう。・・・次回に続きます・・・
