制作物は6つ
新人研修は以下の6つのコンテンツが必要です。①会社説明書 ②ビジネスマナー ③仕事力の作り方 ④人間力の養い方 ⑤ブランドの大切さ ⑥ブランドガイドライン
「①会社説明書」の目的は「ビジョン・方針の共有」です。新しいスタッフには改めて会社の目指す方向を知ってもらわなければなりません。かつ、一緒にその道を歩んでもらわなければなりません。また、既存スタッフでも会社の基本情報を知らないかもしれません。そこも含めてしっかりと伝えておくことは大切なことです。具体的内容は、経営理念(その意味も含めて)、ブランドメッセージ、ミッション、名前の由来、ロゴの意味、色の意味、設計コンセプト、目標数値(短期・長期)、歴史と未来、社風(全体のルール)、行動指針、組織構造、オペレーション、などが挙げられます。ここでは、どの職種でも当てはまる内容がよいです。職種別ルールは部門ごとにレクチャーしましょう。

コンテンツはあくまで新社会人向けに
「②ビジネスマナー」、「③仕事力の作り方」、「④人間力の養い方」は新社会人が入社した際に必ず通る研修内容です。この部分を外部委託で行ってもいいのですが、それをもとに社内でレクチャーできるようになると会社としての本当の力がついてくると思います。
2つの理由があります。1つ目は会社として「こうゆう社会人になってほしい」という具体的なイメージを持って伝えることができるということです。外部委託はあくまで一般的な理想の社会人です。ブランドづくりとは「人づくり・企業文化づくり」です。会社の方針から続けて行うこのレクチャーは、「そのビジョンを叶えるためにはこうゆう仕事人になってほしい」、「こんな仕事の価値観を持ってほしい」という明確なメッセージが含まれていることが望ましいと思います。

「教える」が「身になる」の最上級
2つ目は教える人を社内でつくることが、「企業文化・ブランドを社内に浸透させること」につながっているからです。「教える」は「身になる」の最上級です。ですから、教えられる人がたくさんいるほど、その会社の力強さが本物なんだと思います。場合によっては、2年目スタッフが講師になって次の新社会人に教えるというやり方もいいと思います。残念ながら、研修は1回受講しただけでは身に付きません。1年後、自分が教える立場になって、その大事さを実感して後輩に伝えます。負担は大きいですが、その功績は小さくないと思います。
できれば中途入社の新人にも同じレクチャーをお勧めします。その会社のやり方・今の時代のビジネスマナーなどを学ぶいい機会です。もっと言えば、既存スタッフにも受講してほしいくらいです。新しく入ったスタッフにとって一番の障害は教えられたことを守っていない先輩が存在することです。

ブランドは偶発的に生まれない
⑤と⑥はルールを守ってもらうことが目的です。「会社の目指す方向」と「なってほしい仕事人としての姿」を学んでもらったうえで、会社のルールを学びます。ブランドは偶然的には生まれません。なりたい姿を想像し、そうなるために守るべきルールを制定します。それをみんなで守ることによって、少しずつ理想の姿に近づいていきます。
ただブランドルールを説明するだけでは弱いです。「なぜ、ルールが必要なのか?」、「なぜ、ブランド経営が必要なのか?」を新人スタッフにも丁寧に伝えることが必要です。そのためのコンテンツが「⑤ブランドの大切さ」です。一方的に「ルールを守れ」と伝えるのではなく、その意味を説明します。ただ単にルールを守るスタッフを作るではなく、一緒にブランドを作っていくスタッフが育ち、ブランドが成長していくことが本当の目的です。
