セカンドコンタクトが最大のミッション
3回のイベントでお客さまの心を動かし、プラン提案の申し込みを起こさせるためには、2回目の折衝コンセプトが重要になります。前回お話しした通り、1回目は自社の世界観を知ってもらい、自然な会話を作りだすことがコンセプトです。3回目の折衝コンセプトは言うまでもなく、専属選任プラン申込をさせることです。2回目折衝で目的がこのロードマップでの核であり、一番の壁だと思います。「自社ブランドの家づくりの想いを理解してもらう。」これが、2回目イベント、ひいては3回トータルでの最大のミッションと言えます。
とは言え、かまえることはありません。言い方を変えれば、「やれることをすべてやり、お客さまに判断してもらう。」ということです。工務店側からすれば、「3回の折衝でお客さまを見極める。」ということです。相性の悪いお客さまにどれだけの時間をかけようが、どれだけの手間をかけようが意味がありません。次のお客さまのためにそのエネルギーを使ったほうが世のため人のためになります。そのためにこのロードマップは必要なのです。

家づくりセミナーを有効に使う
具体的には、物件見学の際にミニセミナーを挟むことをお勧めします。どの会社さまも家づくりセミナーを試みたことがあると思います。(家づくりの始め方を軸として、自社の家づくりの想いを訴えかける説明会)仰々しくこのイベントを開催する方法もあるのですが、ミニセミナーとしての活用が最も効果を発揮すると思います。
2回目の物件見学がひと段落したときに、「少し時間よろしいですか?」と、改まってPCを用意します。セミナーでは1時間くらいのプレゼンかもしれませんが、ここでは15分くらいの簡易スライドを作り変えておきます。家づくりのセオリーを皮切りに、自社ブランドの想いをしっかりと伝えます。時間は短いかもしれませんが、ワンオンワンのプレゼンなので、その分熱意は伝わるはずです。自社の想いを伝えずしてプラ提案を行ってはいけません。プラン提案・プレゼンもただではありません。そこには何人かの時間と情熱が詰まっています。想いを伝え、共感が得られたお客さまにお届けすべきものだと思います。

土地なし客は別ルート
セカンドコンタクトでは他に資金シュミレーション・融資相談などを行っておくとよいです。サードコンタクト時に資金面での不安が解消された状態だと申込率・契約率は更に上がります。話は横にずれますが、土地からのお客さまの場合は別ルートになります。その場合は土地セミナーや宅地説明会などを開催し、土地の目途をつけてからのサードコンタクトになります。ここでの注意点は土地探しに集中しすぎないことです。むしろ一定の距離を保ち、土地決定させるための労務をキープするのがベターだと思います。
サードコンタクトはほとんど確認事項になります。1回目2回目の折衝でやれることをやっていれば、3回目のイベントは見学会でなくてもかまいません。この段階までたどり着けば、お客さまもある程度覚悟していると思うので、イベント無しアポイントで大丈夫かと思います。2回の折衝でこの空気感が作れていないことが問題です。その場合は、3回目の見学会イベントでやり切れていない行動を抑え、プラン申込までの不安を取り除き先へ進めます。

世の中はきれいごとで出来ている
3回目の折衝で確認すべきこと。・資金面及び融資確定・土地確定・競合の有無・プラン提案内容及びプラン提案条件…などですが、特に有効に使いたいのが「契約までのスケジュール」「完成までのスケジュール」です。家づくりのスケジュールをプレゼンすることによって、お客さまのイメージがリアルになり、お客さま自ら「プラン提案の申し込み」をさせるという行動に移させます。理想論ですが、やはりお客さま自ら申し込んでいただくほうがブランド会社らしくてよいです。キレイごとだけでは工務店運営できませんが、目指すべきはこの姿だと思います。
「そんな上手くいかない」と言われる方も多いです。実際にその通りだと思います。ですが、どんなものにも「型」が必要です。それは理想的であることに意味があります。理想と現実の間で四苦八苦し、少しでも理想の姿に近づく努力をする。これこそが経営努力だと思います。その型をつくることを忘れ、新しい施策ばかりに注力しているよううになっているかもしれません。今一度、理想を見つめなおしてみてはいかがでしょうか。
