2024.11.02
ブランド戦略を可能させるキーワード

デザインとワードを一致させる

ブランドと呼ばれるような会社には統一された「世界観」があります。その世界観は、専門的に「トーン&マナー」といいます。たとえば、ディズニーやアップルには、それぞれ独創的な世界観があります。お客さまは商品・サービスのみならず、「その世界観ごと手に入れたい」と思い、そのブランドを選択します。世界観なしに、いいブランドは生まれません。

では、その世界観はどうつくるのか?それぞれの世界観にはキーワードが存在します。これは想像ですが、アップル社には「クリエイティブ」、「先進的」、「洗練された」、「本質を突く」、「世界を変える」といった言葉が似合います。アップル社がつくりだす商品や広告、ビジュアルは上記の言葉と一致しています。デザインとワードが一致しているからこその世界観はゆるぎないものになります。

キーフレーズをつくる

もしかしたら逆なのかもしれません。世界観から一致したワードが生まれるのではなく、自分たちの目指す方向性の言葉から世界観をつくっているのかもしれません。いずれにしても、ブランド会社にとって世界観をつくることは必須です。そのために会社のキーワードを探求することは無駄にはなりません。

実は、会社のキーワードを決めることは世界観をつくるためだけのものではありません。キーワードをつくると方向性のブレがなくなります。例えば、キーワードからはキーフレーズが生まれます。キーフレーズとは、初回接客時にスタッフが使用する営業トークです。各店舗もしくは各スタッフからそれぞれの主観でバラバラの言葉を使っていたら、その会社のイメージに統一感がでません。ブランドとは記憶です。どのスタッフからも何度も何度も同じフレーズが繰り返されることによって、お客さまが覚えてくださり、共感し、ファンになるのです。のみならず、スタッフ間の共有ビジョンが高まり、フロントスタッフ以外にも方向性のブレがなくなります。

ちりばめられたキーワード

インナーブランディングのためにも、キーフレーズを設定することをお勧めします。キーフレーズは自然の会話の中で使えるようにします。カタログに掲載するようなポエム的な文体ではなく、対話の中で自然と出てくる口語体でつくっておくとよいです。「最初からキーフレーズを話すぞ。」というものではなく、会話の中でその付近の話題になったら自然と発せられるフレーズにしたいです。

ホームページを整える際にもキーワードは重要です。会社としてのキーワードを決め、意志をもってサイトテキストにちりばめます。大半の会社がホームページをつくるときに文章をつくることから始めます。その前に、「会社として大切にしている言葉は何か?」を探すことが一番最初にやらなければいけないことではないでしょうか。それは大げさでなく、会社としてのアイデンティティー、哲学、文化の基と呼ばれるものだと思います。意識していないかもしれませんが、現状のホームページにもたくさんちりばめられています。

会社として大切にしている言葉は

企業ブランディングは戦略的に行わなければいけません。ですから、意図して行われていなかったものを明確な意思をもって行い、それを活かすためにすべてをつなげます。会社の「キーワード」を決め、ブランドメッセージを決め、世界観を決め、細かいブランドルールがつくられていきます。それありきのホームページです。ブランドの核がない状態でホームページをつくってしまうと、どうしても「ぼんやり」としてしまいます。

キーワードはどうつくるのか?そんなに難しいことではありません。「会社の目指す方向性として、大切にしている言葉」を探ることです。キーワードは文章ではなく、単語が望ましいです。名刺でも動詞でも形容詞でもかまいません。なんとなく、5ワードくらいがベターです。それがなりたい姿であり、スタッフ間の合言葉であり、自社ブランドが創り出す世界観の源です。繰り返しになりますが、ブランディングとは戦略的に行うものです。明確な意図をもって、「キーワード」を決め、ブランド戦略を練っていきましょう。

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