建築会社として
建築会社として、その商品・モデルハウス・オフィスは建築物として誇れるものでなければなりません。なぜならば、言葉よりもそのモノをみて判断されるからです。建築会社としてその建物がカッコわるければ、誰もそこでお願いしようとは思いません。だから、まずその建物と整えなければなりません。
その次に大切なこと、それは設計力です。自分たちが掲げる理想を担うスタッフが必要です。工務店それぞれ方向性の違い(デザイン・性能・価格帯)はあるかもしれません。ですが、建築物を売り物にしていることに違いはありません。その建築物を支える設計力(設計スタッフ)にもっと注力してもよいと思います。なのに、現実問題そこを担えるスタッフが少ないことも事実です。

日本の設計職の現状
日本の大学にはたくさんの建築系の学部・学科があります。その割には働き口がありません。多くの建築系の学生が設計職を志しています。それなのに働ける枠が多くありません。本当に設計職を求めている人は、大手・中堅組織設計事務所かアトリエ系設計事務所を目指します。前者はあまりにも狭き門です。現実的ではありません。後者はお給料が低いうえに、労働環境が劣悪です。
安定した給料を求めて、大手ハウスメーカー、ビルダー、工務店に就職しても、そこには設計職とは名ばかりの作業が待っています。学生時代に夢見ていた仕事ではありません。日本の住宅はハウスメーカーが席巻しています。クリエイティブな設計職スタッフが育っていかないのも、そんな日本の住宅業界の現状が起因していると思っています。ネイエの家づくりはそんな現状を少しでも変えようとする想いも含んでいます。住宅を設計する喜びが、「日本の住環境を変える」ことにつながっていることを信じています。

中途採用の難しさ
そうは言っても、現実は厳しいです。特に設計職の中途採用(即戦力レベル)難易度は高いです。前述したように設計スキルを持った人間が少ないからです。それでも何とかしなければいけません。おすすめは人材紹介です。何点か気を付けなければいけない点はありますが、求人広告を出してもまず成功しません。
人材紹介会社は3~4社と同時にお付き合いするのがおススメです。初期投資に費用がかからないので、相性の合うエージェントを見つけておきたいです。選ぶポイントは設計職が得意かどうかです。人材紹介会社もそれぞれ得意不得意があります。設計職人材を持っていない会社と付き合っていても意味がありません。もう一つ大きなポイントは自社の家づくりコンセプトを深いところで理解させることです。そこに合う人材、その建築に共感してもらう人材をマッチングしてもらうためにエージェントを活かすコトです。

新卒採用と育成力
設計職の採用だけに力を入れても会社の設計力がついたとは言えません。設計スタッフが活きる環境になっているでしょうか。何よりも「やりがいのあるオペレーションになっているかどうか」がマストです。「設計がやりたい」と入社してきているのにそこが適っていなければ当然長くは続きません。人間は楽しいことしか続きません。楽しいことがその会社にあるかどうかが、その会社がその人に合うかどうかなのです。
新卒・経験の浅い中途採用には設計スキルの育成環境がセットです。即戦力がレア人材であるということは、将来性に投資しなければいけません。その投資の成功確率は育成環境があることで、格段に向上します。設計コンセプト・採用力・育成力が一体となって、建築会社としての設計力がゆるぎないものになります。
