はじめが肝心、ビジョン・ミッションを伝える
そもそも、新入社員研修を導入している会社自体が少ないかもしれません。会社にとって時間は貴重です。社長もしくは優秀な営業マンの時間はことさらだと思います。反対に育成前のスタッフの時間は無駄に垂れ流されています。会社全体の時間を有効に機能させるために、たとえ1人だけでも、ビジネスマナー研修、そして会社の骨幹であるブランディングを伝える研修をおすすめします。
ブランディング研修は、工務店経営に不可欠な戦略の一部です。特に新入社員に対する研修は「はじめが肝心」であり、初期段階での教育がその後の活動に大きく影響します。企業のブランド価値の理解研修の初めに、企業のブランド価値やミッション、ビジョンをしっかりと伝えます。新入社員が会社の強みを理解し、それを日常業務にどう反映させるかを学ぶことで、即戦力として有益なタッチポイントとして機能します。

中小企業の「人だより」構造
会社の力は人だよりでも仕組だよりでもいけません。人に力50%、仕組みの力50%が適正ではないでしょうか。本音を言えば、少し人間よりなのです。理想的な姿は人を活かす組織であればいいと思います。いずれにしても、中小企業は人だよりの傾向が強く、この組織力50%が達成できていません。理由はいくつかあるのですが、ひとつは人数が少ないことがです。仕組みをつくること自体が時間の無駄になり、優秀な人が、優秀でない人の成果をカバーする方が有効だからです。直近の利益を確保するためには避けられないことかもしれません。ですが、将来的な展望、半永久的な存続を考えた場合、仕組みで会社を動かし仕組みで、人が活きる会社が望ましいはずです。研修制度は仕組みづくりの最たるものです。企業の組織力を上げるためにも、採用したスタッフの成長のためにも、果たすべき会社の役割だと思います。

お客さまにプレゼンするように
ブランド戦略とは総力戦です。美しい広告だけでも、優秀なスタッフだけでも成立しません。スタッフ全員でサービスブランディングが表現できるためにも、新人研修は必要です。研修にブランディング研修が必要な理由は、入社した初日からブランドの体現者としてみられるからです。新卒・中途問わず、職種を問わず、ブランド文化を浸透させることがインナーブランディングの1歩目です。
目的は3つ。①会社のビジョン共有。②ビジネスマネー取得(復習)。③ブランドの大切さを知る。ただ、これらを教えるだけでは説得力が足りません。なぜ、これらが必要なのか?どうしてこれらをレクチャーするのか?を伝えることが必要です。大切なのはそこに至るまでの過程です。お客さまにプレゼンテーションするように、スタッフにも丁寧にプレゼンすべきです。ブランディングとは会社の文化づくりです。ひいてはその文化を作る人間作りなのだと思います。

モチベーションか高いうちに
新卒入社の場合、2日~3日かけた方がよいと思います。冒頭にも記しましたが、何より「はじめが肝心」です。初めて社会人になり、モチベーションは最高潮です。教えられることに飢えていて、吸収力は抜群です。この状態を利用しない手はないです。普段、既存スタッフに「教えてもやらない。」とぼやいているはずです。それを今やるべきです。
中途入社も半日くらいの研修を組み込むのがいいです。しっかりとしたコンテンツを新卒向けにつくり、ミニマム版を中途用に編集しましょう。中途入社も気分一転、モチベーションは高いはずです。社員教育の仕組みはハードルが高いです。ですが、「面倒」だからといって、社員研修をやらないのは、「無責任」です。会社の責務として、地域での存続・発展のため、何より入社してくれた人のためにも研修制度を導入しましょう。
