2024.09.07
「理想の家」がブランディングのスタート地点

「情熱」が会社経営の源

会社経営ですから、「どうすれば売れるだろう。」とか、「どんな家を欲しているだろう」ということを考えてしまいます。それはそれで正しい考えです。社会は需要と供給のバランスなので、世間が欲してるものを提供することはしごくまっとうなことです。それでも人には感情・思考があり、「好みの家」、「理想の家」があります。

できることならば、その家づくりを工務店経営の中心におきたいです。人間の行動原理で確かのことは、「そこに想いがあるから動く。」ということです。まず最初に「好き」があり、その「情熱」が会社経営の原動力になっていると思います。好きでもないことには心も身体も動きません。チームが同じ想い(理想の家づくり)があって、その力が発揮されます。スキルがあっても情熱がなければ宝の持ち腐れになります。

工務店ブランディングのはじまり

「理想の家」は工務店ブランディングのはじまりです。「好き」の絞り込みが重要になってきます。要は、「○○といえば、○○工務店」ということにしたいのです。「固定のイメージを持たれたくない。」といった意見や、「○○以外もできるのに、しばれれたくない。」、「お客さまが減ってしまう。」と考えてしまう経営者もいるかもしれません。それでも、絞り込むことをお勧めします。

名前が認知されていないようであれば、まず名前を覚えてもらわなければなりません。大手メーカーの積水ハウスや住友林業と肩を並べられるくらい認知度があれば、無理強いはしません。名前を覚えてもらうこと、これがブランド経営の第一歩です。社名と「つくる家のイメージ」が一致することで、覚えてもらいやすくなります。人はそれを1回見たぐらいででは覚えません。何度も何度も、「社名」+「家づくりイメージ」を視覚・聴覚で受けることによって印象付けられます。そこにインパクトがあれば、人から人へ伝染していきます。ブランドとは本人が知らないところでよいイメージが伝えられることだと思います。

名前は1つに絞る

「○○工務店」、「○○建設」、「〇〇の家」、「○○設計事務所」など、さまざまな社名もしくは屋号もしくはブランドネームがあります。会社によっては社名と屋号(ブランドネーム)を併用して使用しているところがあります。これはやめたほうがいいと思います。第一にお客さまが混乱するからです。お客さまからすると「どっちが名前?」と思ってしまいます。ブランディングの第一段階は「わかりやすさ」です。

2つ目の理由は「認知→ブランディング」が早く浸透するからです。1つのブランド(名前)を成功させることもたくさんの時間とお金と情熱を費やします。2つの名前を併用することでイメージが薄れ、印象がぼやけてしまいます。印象付けさせたい名前を1つに絞り、使わない名前は無くしたほうがよいです。無くせない名前は徹底的に隠すのがベターです。

住宅の商品ラインナップを持つこと

あくまでも小さな工務店に限った戦略ではありますが、商品ラインナップをつくることも同様にお勧めしません。考え方は同じです。その会社の印象が薄れるからです。まず問いたいのは、ブランド化したいのは会社なのか、商品なのか?というところです。結論になりますが、住宅事業においては絶対的に会社そのものをブランド化したほうが良いです。なぜならば、小さな工務店で商品ブランドからはじめて成功した会社がないからです。

積水ハウスの「シャーウッド」や大成建設の「パルコン」など名前が売れた商品ブランドはありますが、それでも社名ほどのインパクトは残していません。かつ、社名ありきの商品ブランドなので、住宅業界はまず企業ブランドを優先するべきだと思います。話は戻りますが、「会社」イコール「商品」ととらえたときに、家づくりのイメージを1つに絞ることが重要です。ブランドづくりは「時間」と「お金」と「情熱」が必要です。家づくりのイメージを1つに決めるとき、「流行っている。」や、「こっちのほうが受けるかも」で、選ぶのではなく、自分たちの「好き」で選ぶことで、その「情熱」は持続し続けるのだと思います。

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