ミッション文とは

キャッチコピー(ブランドメッセージ)とともに重要になってくるのが、それに続く文章です。その内容には、私たちの家づくりの使命感、私たちの存在理由を表現したいです。その文章のことをミッション文と呼びます。ブランドメッセージがタイトルだとすれば、ミッション文はそれを説明する文章です。
ブランドメッセージはワンフレーズなので、すべてを伝えるのは難しいです。インパクトのあるビジュアルと共感性のあるブランドメッセージでそれを見た人の足を止め、ミッション文で引き込む。これが認知アクションの王道です。そのために、ミッション文を整えます。ミッション文とは、「わたしたちのやるべきこと・あるべき姿」。それを「誰のために、何のためにそれを実行するのか。」を表現します。私たちのファンにささるような文章でひねり出します。
まずは自分たちの言葉でコアをつくる

ミッション文とはあいさつ文です。初めて接触する人に、初めて自社を知る人に対してわかりやすく、ていねいに説明する必要があります。いわば、会社の自己紹介文です。できれば、ホームページトップに掲げたり、ポスター化して街中に掲示したいです。
どの組織でもあることですが、文章は話し合いでは生まれません。進め方としては、トップを含むブランディングチームで伝えたい中身のコアを決め、誰か1人(ライティングスキルがあるスタッフ)に作ってもらいます。それをブランディングチームで再検討・採決するやり方がベターです。もちろん、ライティングスキルにはバラつきがあるし、好みもあるので大変かもしれませんが、いきなりプロのライターに発注することはお勧めしません。まずは、自分たちの言葉でもがいてみることに意味があります。ライターに頼むことはいつでもできます。産みの苦しみには2つの意味があります。軸がブレないようになること。そして、ライター発注したときに、成果物の善し悪しが分かるようになることです。
文面は3段構成で

何も難しく考える必要はありません。シンプルに3段構成で考えましょう。①問題定義。②存在理由。③理想の形。文章構成はいろいろあるし、文章力のある人はこれに縛られる必要はありません。これはよくわからない人向けです。物事は迷ったときにはシンプルに考える。これに尽きます。
①問題定義では、「私たちの地域・業界にはこんな問題がありますよ。」といった感じで、私たちの存在理由の土壌を作っておきます。そのうえで、②存在理由では、「だから私たちの家づくりはこうなんです。だから、私たちのミッションはこれなんです。」といった感じで、自分たちの使命感を表現します。最後に③理想の形では、「結果、地域の人たちが○○になればいいと思っています。」のような形で終われるときれいだと思います。最初から上手な文章など書けません。ですが、純粋に私たちの家づくりの情熱を自分たちの言葉でつくることで、不格好でもファンに伝わると思います。
ショート版もつくる

ミッション文は通常、400文字~600文字くらいが適正です。それとは別にショート版を作っておくとよいです。ショート版は60文字~100文字くらいでしょうか。人はなかなか長い文章を読まないです。画像をみて、ワンフレーズを見て、600文字までたどり着く人は少ないでしょう。そこで、短めの文章も用意しておきます。それを、電子メール署名欄の下にそっと差し込んだり、ポストカードに美しい家の写真とともに載せたり、インスタグラムのヘッダーに固定したりして、私たちの存在理由を知ってもらいます。
もう一つのお勧めはインナーブランディングです。「私たちの存在理由」を一番知るべきはスタッフ自身です。苦しいとき、迷っているときに立ち返るのは「私たちの存在理由」です。自分の仕事が好きで、それが人の役に立っているということを忘れないためにも、ポスター化してオフィスに掲示します。ブランドの浸透によって、自分たちの世界観はますます深まり、家づくりもより研ぎ澄まされていきます。これを機会にぜひミッション文の整理を。