2024.12.14
ファイナンシャルプランナー相談の活用法
接客

設計申込までのロードマップを明確にする

工務店にとって、新規来店のお客さまの重要性は語るまでもないことです。今回は来店した新規のお客さまをいかに効率よく、設計申込までつなげることができるかという仕組みづくりのお話です。上振れも下振れも考えすぎず、ベーシックなゴールデンルートを用意しておくこと、そのフレームを構築しておくことが肝です。

前提として、すぐに設計提案を勧めるのではなく、自社の強みやブランドを充分に理解していただいてから提案を行うこと、できれば競合を排除してから単独での設計提案が理想です。最低でも競合は1社までにしたいです。当て馬のような設計提案や5~6社での競合であれば受けない方がよいです。自社を深く理解してもらう期間は3回の折衝と考えます。3回のアポイントで関係性を深めたうえで設計提案のプレゼンテーションを行います。

お客さまの不安を取り除く仕組みを

3回というのは経験値ではありますが、それ以下だと軽く見られ失注率が上がります。逆にそれ以上の回数を重ねると、労務コストに負荷がかります。お客さまの条件・状況によってロードマップは変わりますが、条件が整っている場合の設計申込までの適正アポイント回数は3回と考えます。その条件とは、①土地が確定していること。②資金計画に問題がないこと。③自社の家づくり・ブランドが理解されていること。です。

自社ブランドの理解に関しては、3回のアポイントが完成見学会やモデルハウス、そこでのプレゼンテーションで可能になります。逆に3回のプレゼンテーションで引き込められない場合は自社のブランドに合わないお客さまと割り切って無理に追わない方がよいと思います。課題は、資金計画です。設計提案までのロードマップに資金計画の問題を解決させておくフレームを組み込みます。ただ自社の強みや世界観を共感してもらうだけでなく、家づくりの不安や課題を取り除いておくことが、お客さまにとっても私たちにとっても必要です。

保険会社のファイナンシャルプランナーと協働する

全額自己資金のお客さまであれば何の問題もなく、そのまま商談を進めてください。借り入れが必要なお客さまの場合は、外部のファイナンシャルプランナー(FP)と一緒にその問題を解決するのがベターだと思います。まずは良きパートナー(FP)を探すことです。FPは銀行関係でない方がよいです。FPはあくまでも第3者的な立場であることが理想です。保険会社関係のFPがよいです。その方が1つの金融会社だけを勧めることなく、お客さまに適した資金計画を提案することができます。

1回目のアポイントはおそらく見学会やモデルハウスなので、まずは自社ブランドを存分にアピールします。目的は次回アポイントです。できれば、完成見学会や暮らしの見学会など、別の住宅を見れるイベントを用意しておくことができればベストです。そのメインイベントのアポイントを確約するのと同時に、「ついでにファイナンシャルプランナー相談もいかがですか?」と差し込めるとよいです。

計画的に資金計画をプレゼンする

ファイナンシャルプランナー相談はお客さまにとってもよいことです。夢ばかりではなく、現実の確認が必要です。家づくり資金相談だけが目的でアポイントを取ることは大変ですが、何かのついでであれば、取得しやすいです。できれば、1回目のFP相談で資金計画まわりの現況や概要を聞いてもらい、2回目のFP相談(3回目アポイント)でお客さまの実際の借入金額を知ってもらうことができれば、お客さまも安心です。

ポイントはFP相談の時に自社スタッフは打合せに入らないということです。プライベートなことになりますし、お客さまもFPだけの方が安心です。私たちの目的は、お客さまに家づくりの不安点を取り除いてもらうことです。その時はあえて、席を外しておきます。ただし、3回目のアポイントではFP相談が終わった後に、自社の概算資金計画を提出し説明するようにします。あくまでも建物費用は概算です。自分たちの借入限度額が分かったうえで、資金計画の説明を受けると家づくり計画にリアリティーが出ます。お客さまは自分の限度額を把握しているので、資金計画を微調整します。この工程をこなすことで、双方が気持ちよくプランニングに入ることができるはずです。設計申込のロードマップを明確に決めておきましょう。

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